前回の続き。
‘ヨガの最中に考え事をしてはいけないんですか?’
今日は回答2つ目の
②エッジを引き出せていない
について語ってみたいと思う。
②エッジが引き出せていない
エッジというのは端の意味である。
これはヨガ的には
大いなる真剣さを意味し、
ヨガ的に生きるとは
大いなる真剣さで目の前に向き合うこと
を意味する。
後述するが、
これは全力とか頑張るとか
そういう意味ではない。
ただ大いなる真剣であること、
である。
ヨガにはヨガ哲学というものが存在し
マットの上の哲学と言われている。
「マット?哲学?
ヨガって柔軟性を上げるものでしょ?」
確かにつながらない。
が、そこがまさに哲学である。
全く体が硬い人が柔らかくなり、
ポーズを経ていく過程。
人間の本質、真理を、
身体を使いながら解いていこう、
というのがヨガ哲学だ。
![](https://life-meditation.com/wp-content/uploads/2021/07/aba1dd9afd994bc383f5259806be7bb4-e1627217612662.png)
では、
身体がかたい人に
必要は事は何だろうか。
柔軟性?呼吸法?ストレッチ?
いやキーポイントは、
もっと深い所の「状態」にある。
ヨガは、ある二つの「状態」を
作り出すことによって
その真理を解こうとする。
それが
アビヤーサ(修習)
と
バイラ―ギャ(離欲)
だ。
一つずつ見ていこう。
①アビヤーサ(修習)
アビヤーサはサンスクリット語であり、
日本語では修習と訳される。
これは、
目の前の事に最大限真剣であること、
の意だ。
’最大限真剣’
そう、真剣。
竹刀ではない。
それは’真剣’なのだ。
息を張り詰めるほどの
今ここの状態で、
それに向き合う。
これは、
無理に力を入れるとか
頑張るという意味ではない。
ただ、大いなる真剣であること。
そして、
これを自分で引き出す必要がある。
本当に真剣勝負の時は、
いやがおうでも真剣になれる。
しかし、
オリンピックの選手に選ばれるためには
試合だけが真剣ではダメだろう。
1日1日の練習でいかに真剣に望めるか。
それが、
結果的な試合のパフォーマンスを決める。
だからこそ、
何気ない練習(ヨガではプラクティスというが)で
真剣さを引き出せるかが大切だ。
と、ヨガ哲学は解く。
②バイラ―ギャ(離欲)
アビヤーサの後にもう一つ必要な事。
それがバイラ―ギャ、
日本語では離欲と言われる。
これは
’欲を手放すこと’
の意だ。
欲とは?
葛藤のニュアンスが
わかりやすいかもしれない。
今大いなる真剣さで
向き合ったことに対して
どんな結果であっても
それを受け入れること。
「なんで自分はできないんだ」
「あの人は出来ているのに」
「もっとできるはず」
そんな風に、
周りや理想の自分と比較し
「こうありたい」
という欲を手放し、
今の自分をありのままに受け入れること。
現在地を認めること。
![](https://life-meditation.com/wp-content/uploads/2021/07/6ac2397867767a902ce2217f0a58282f-e1627217620740.jpeg)
理想を持つのも、
高みを目指すのも、
素晴らしいことで
私達は必ずそこにたどり着ける。
でもその為にはまず現在地を認める事。
![](https://life-meditation.com/wp-content/uploads/2021/07/f6f77a1616e27fc34eb1a81aa7dc6262-e1627217628569.jpeg)
現在地からの景色でしか
私達は次を目指せない、
とヨガ哲学は説く。
では、バイラ―ギャの後に必要な事、
自分の「こうであるべき」
という欲を手放した後に必要なことは
なんだろうか。
そう、アビヤーサである。
過去の出来なかったことや
劣等感、比較に苛まれずに、
今の自分を受け入れた上で引き出される
大いなる真剣さ。
![](https://life-meditation.com/wp-content/uploads/2021/07/ed80de20dfec1bd144442f3c2532b6bb-e1627217637240.jpeg)
そしてまた欲の放棄。
その繰り返されるプラクティスを経て
人は変われると
ヨガ哲学は教えてくれる。
![](https://life-meditation.com/wp-content/uploads/2021/07/aba1dd9afd994bc383f5259806be7bb4-e1627217612662.png)
だから、
身体的な条件がない限り
どんな人も変われると、
私は思う。
運動音痴で、
運動部に所属したこともなく、
リレーの選手の類にも
選ばれたことのない私でも
10年前は手が床に全くつかなかった私でも
少しは変われたから。
![](https://life-meditation.com/wp-content/uploads/2021/07/4d2898cc519c4468d541cbcfe0072ef6-e1627217645388.jpeg)
繰り返すが、
ポーズが出来ることに意味はない。
ただ、真剣さと放棄の繰り返しにより
その状態は起こる。
そしてそれこそ、ヨガのエッジである。
それは無理に頑張ることでも、
力技でポーズをとることでもなくて。
ただ真剣にいる事。
その状態を理解できるようになると
日常生活でもそれを引き出せるようになる。
ただ最初は難しいから
マットの上で体を使って学ぼうね。
というのがヨガ哲学だ。
これを踏まえ最初の質問に戻ろう。
‘ヨガの最中に考え事をしてはいけないんですか’
ヨガの最中に考え事をしている場合
真剣さが「大いなる」状態ではないので
少なくともエッジではないと思う。
もちろん人間なのでそんな日もある。
そんなときは
「いつも最大限真剣にいられる自分ではない」
という事を認めながら
それでも
「最大限真剣でいる」
ことに努めることが
ヨガに必要なプロセスだと思う。
ヨガは
マットの上の哲学です。
![](https://life-meditation.com/wp-content/uploads/2021/07/6929b940e4802cf13960acbb172247c2-e1627217652720.jpeg)
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