先日、生徒さんから質問があった。
‘ヨガの最中に考え事をしてはいけないんですか?’
不意に聞かれた質問で
うまく答えられなかったので
改めてこの答えを綴ってみようと思う。
予想される通り、
答えはもちろんダメなのであるが、
では、なぜダメなのだろうか。
私が思う理由は二つある。
①心がコントロールできていない
②エッジを引き出せていない
一つずつお話ししていこう。
①心がコントロールできていない
そもそも、ヨガとは単なるフィットネスではない。
元は、精神鍛錬だ。
考えて欲しい。
古代インドで、
メタボリックの人たちが
運動不足解消、肥満解消で
ヨガをしていたとは
どうみても考えにくい。
むしろ肉体労働バリバリで、
ガリガリに痩せていたのではないだろうか。
と、インドの写真をさぐったら
思ったら割とメタボの方もいる様子。
現代インドかもしれないけれども。
まぁとにかく、
元を辿ると目的はそこではないと思う。
(もちろん運動不足解消や
ダイエットのために行うのは大歓迎だが!)
では、語源から考えてみよう。
ヨガのもともと
yoja(ヨジャ)からきており、
意味は軛(くびき)である。
軛とは、そう、牛と車を繋ぐあれ。
心は暴れ牛のように暴れる性質を持つから、
軛をつけてしっかりつないでおこうね、
というのがヨガの語源と言われている。
きっと古代インドの方々も
さまざまな苦しみや葛藤があったのだろう。
カースト制度とか。
(サラッっと紹介するレベルの苦しみではない。)
ただ、その苦しみも、
自分の心が決めているものなのではないかと
古代インドの人たちは考えた。
自分の心が暴れまわり、
自分で苦しみを引き起こしているのではないかと。
一見すると古代インドの人たちも
ポジティブだったのかなと
思いそうになるが、
きっとそうでもしないと
生きる希望を持てないほどに
苦しみを感じていたのではないかと思う。
そして、
そんな自分が作り出した
苦しみ(現実世界のしがらみ)から
心を引き離す方法として
ヨガが使われていた。
きっとスピリチュアルなヨガも
これがルートにあるのだと思う。
苦しみから救った心を
この現実世界ではないところに
おいてあげるのが
スピリチュアルなヨガなのではないか
と思っている。
勝手に。
知らないけど。
~今ここの体と呼吸に集中する~
ヨガをしている最中は
基本的に意識は
全てコントロール下に置かれている。
今ここの体と呼吸に集中し、
意識を向け続ける。
体を使い、動き続けながらも、
その意識を手放すことはない。
ずっと自分の意識を意識し続けている。
要するにモニタリングしているのだ。
だから、ヨガのしている最中に
考え事をしているとしたら
自分の意識をモニタリング
していないことになる。
「自分で意思を持って」考え事を
しているのであればそれは問題ない。
体と呼吸に集中していないので
ヨガではないかもしれないが、
それ自体はもちろん悪ではない。
ただ、ヨガを行っている以上、
意識を意識し続け、
呼吸への集中状態を維持しなければならない。
私の経験上、
そこには思考はわき起こらない。
ぜひヨガをするときは
自分の意識を意識して欲しい。
あなたは今何を意識していて、
何を意識していないのか。
それは日々変わるし、
昨日はスムーズに行えていたのに
今日は難しい、
ということもある。
大切な人が亡くなったときに
今ここの体に集中しよう、
というのは難しいものだ。
(もちろんそれをする必要はなく、
その時は悲しみに浸ってほしい。)
ただ、意識はそれくらい揺れやすく、
日々鍛錬していても
一度トラブルが起こると、
自分では手がつけられなくなる。
だから、日々鍛錬が必要だ。
意識は、感情や思考が
沸き起こっていない時もずっとあり続け、
意識する内容は、
あなたの行動や言葉の土台となる。
意識の土壌が適切でないと
私達は行動や言葉の目を
まっすぐに咲かせることは出来ない。
だから、私たちは
自分の意識を意識できるように
なる必要があると思う。
そのために、ヨガでは精密に
自分の意識をモニタリングして
今ここの体と呼吸に集中しよう。
長くなったので②の解説は次回。
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