質問をいただきました。
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失恋や就活の失敗、
悲しい人の死など
つらいことがあった時、
どのように乗り越えればいいでしょうか。
とてもつらいことを体験した時
あたかもそれが永遠と
続くような気がしますよね。
しかし、人間にとっての
際限なく続く苦しみというのは
自分の考えに禁止を与えたときに始まります。
私たちは
「こういうことを考えてはいけないんだ」
「元気にならないといけないんだ」
「無理にでも立ち上がらないといけないんだ」
ということに意識を強く持った時に、
自分の考えを抑圧してしまいます。
しかしこれが逆効果で、
この抑圧こそ
自分を痛めつける原因になります。
特に私たちは、
その考えを持つことによって
苦しくなるということが
分かっている考えに対しては、
より強く抑圧をかける傾向にあります。
これは自分が意図的に
やっているわけではなくて、
幼少期から今までを経て、
ストレスにうまく対処しようとする
無意識的な対応
(ストレスコーピング)
の一種なのですが、
日本人の場合、
この抑圧という方法をとることが
他の国の方に比べて強い傾向にあります。
例えば日本には「耐え忍ぶ」
という言葉がありますよね。
「耐える」の方は、
我慢するという言葉で
海外にもありますが、
忍ぶの方は人目に
つかないように身を隠す、
という意味です。
つまり耐えていることを見せない。
という美的感覚が
日本人である私たちには
根付いているので、
自分の辛さや苦しさの感情を
表に出すことが苦手な民族なのです。
しかし、人間というのは、
自分の持っている辛さを
お互いに表明しあって、
共有しあうというのが
一番の救いになりますし、
自分自身が自分の感情と
向き合う助けとなります。
だから周りの人に話を
聞いてもらったり、
同じような思いを
している人と分かち合ったり、
自分は悲しいんだということを
自分自身で認識し、
それに浸りましょう。
そうして辛さを
自分で自覚をすることで、
一時期は辛いかも
しれませんけれども、
だんだんと時間を経ることによって
無毒化されていくものだと思います。
辛い、悲しい感情に蓋をして
無理やりポジティブに
考えるのではなく、
ネガティブな感情を
きちんと受け取って、
向き合い、乗り越えたとき、
私たちは自然とポジティブに
考えられるようになるのだと思います。
だから、悲しい時は悲しみに浸り、
何もしなくても
イイのではないでしょうか。
悲しみに深く入り込んで
ゴロゴロしてもいいと思いますし、
泣きじゃくっていてもいいと思います。
そういう感情表現を通して、
私たちはそこにある感情、つらさを
乗り越えていくのではないでしょうか。
それをしないで、
ぐっと記憶の中に
封じ込めちゃうと
その記憶がトラウマ化してしまって、
何度でも新鮮な記憶として
出てしまうように
なってしまうわけです。
蓋をしないで
ちゃんと見つめてあげれば
徐々に解毒化していくことができます。
悲しいことがあったり
失恋したりして
落ち込んでいるそれ自体も
回復の過程ですから、
しっかりその感情は
受け取ってあげましょう。
どうか、今日は心に
優しい日を過ごしてあげてくださいね。
今日はここまで!
また次回!