前回はいただいたご質問に
お答えしていきました。
【前回の要約】
人間の行動には物事の認知の仕方が
大切であると確立された認知行動療法は
その後、認知を修正するという方法から
認知をただ観る「マインドフルネス」という
第三世代へと変遷を遂げた。
脱フュージョンなどカッコいい名前の
認知行動療法があることを結局松尾は
前回のメルマガで紹介していない。
それどころか
「お腹がすく運動とすかない運動の違い」という
全く関係ないことを解説した。
詳しいことは前回、前々回のブログをご覧ください。
前回 https://life-meditation.com/e-zine33/
前々回 https://life-meditation.com/e-zine32/
前回いただいたご質問に関して
できる範囲でお答えしていきます。
※あくまで松尾の個人的見解です。
ご相談内容から推測できる範囲で
答えているものであり、参考程度にご覧ください。
いただいた質問を復習していきます。
——–
メッセージでご相談させていただいたのは、
この食事に関してなのですが、
①運動量が増えることによって食事量が増す
②ストレス(治ると社会復帰しないといけない)で
過食(行為)している
この可能性を
考えているのですが、
伊津香先生のご意見を頂けないでしょうか?
———-
前回は①に関してお答えしていきましたね。
今日は②に関してお答えしていきます。
こちらに関しては、
この方がどうかは私にはわかりません。
ただ、食事瞑想実践講座でも食欲を
4種類に分けて勉強して学んでいくのですが、
この質問と重なる内容です。
食べるという行為は一見エネルギーを
得るためだけに行われると思われがちですが、
全く関係ないものの影響を受けて
行われることがあります。
ストレスなんかはわかりやすいですね。
ストレスで暴食しちゃった、という場合。
多くの人は食べちゃった、と自分の食欲を
悩むのですがはっきり言うと全く見当違いの悩みです。
食べるという行為とあなたのストレスは
全く関係がありません。
そのため、食べるという表面上のことを
悩んでも何も解決されないのです。
むしろ、ストレスが過剰にかかった
あなたのSOSを聞きつけて
食欲は助けに来てくれているのです。
食欲はあなたを苦しめるものではなく、
ストレスから守る正義の味方です。
だから、そういう場合は
ストレスと向き合ったり
自分の生き方と向き合ったりすることが
必要なのです。
以前に、食事瞑想に出会った方で、
仕事後のポテトチップスがやめられなくて
悩んでいる方がいました。
仕事が人の生死にかかわる現場のため
彼女は仕事中に強い緊張が続いていました。
「裁く思考」の彼女は自分が食べちゃうのは
意志の弱さだと自分を責めて悩んでいました。
しかし、自分の食欲がその緊張状態、
強いストレスから守ってくれていたのだと
知って泣いていました。
一年後には彼女は職を変え、
分野は一緒ですが自分の本当に使命であることを
見つけて輝いています。
少し話はそれましたが、
食べるということがもし逃避や自己承認欲求、
愛情の欠如から来ている場合、
食欲は表面上の問題で、
その深部に潜む問題を解決しない限り
おさまりません。
それでも、認知行動療法の第三世代
(前々回のメルマガの内容)で書いたように、
認知に大きな兆しが見えたのは
マインドフルネスの効用。
前々回のメルマガで私は
このようなことを書きました。
‘第二世代の認知行動療法と大きく違うのは、
認知を変えようとしないことです。’
ご質問者の方は医療現場で
マインドフルネスをされているということで
ここの重要性がわかると思うのですが、
自分の認知(偏見やフィルター、
松尾用語で言う心の圧)を変えるということは
相当に難しいのです。
本人の苦痛も伴います。
それくらい一度出来上がった認知というのは
変えることが難しいのです。
マインドフルネスは自分の認知を
認知していきますが、
認知を変えようとはしません。
ここはかなり自分の認知と
向き合いやすくなるポイントです。
もちろん最終的に生きづらさをなくすために
認知を修正していく必要があるのですが、
まずは認知を認知するだけ、
それだけで十分に精神的な苦痛の緩和に
影響を及ぼします。
食事瞑想実践会では食べるを
マインドフルネスに行っていきます、
マインドフルネスになる最初のステップは
身体感覚に意識を向けること。
認知は目に見えないもので
意識することが難しいからこそ、
舌先(味覚)と胃の感覚(温度や重さ)を
感じながら身体感覚を研ぎ澄ませて
マインドフルネスを育みます。
もしご興味があれば体験会に来てください。
もうすぐ全国各地方で体験会を行う予定ですので
お知らせできると思います。
以上でご質問の回答は終了です。
参考になりましたでしょうか。
ご質問いただいた方の患者様が
良い経過をだどることを心よりお祈りいたしております。