さて、前回は心の眼という
話をしてきましたが、
どのように自分の心の眼を
知っていったら良いのでしょうか。
ここで一つ質問です。
こちらのコップ。
コップの淵は果たしてどんな形でしょうか。
何言ってるの?
コップなんだから丸に決まってるじゃない!
と思われるかもしれません。
しかし、実際あなたが見えているものは
楕円(だえん)のはずです。
目で見てるのは楕円なのに、
おそらくほぼ100%の人が、
このコップをまん丸だと
認識したのではないのでしょうか。
ここから分かるのは、
私たちは眼で見てるものを
見てるのではなく、
脳が解釈したものを見ています。
良く知られた心理学の実験があります。
説明する前に自分で
実験してみる方が面白いので
やってみましょう。
今から白いTシャツと
黒いTシャツの2チームが出てきて
それぞれのチームが
バスケットボールをパスする動画が流れます。
あなたは
「白いTシャツのチームのパスした数」を数えて下さい。
※動画は英語なので最初の説明は
無視していただいて大丈夫です。
では、動画をご覧ください。
https://youtu.be/vJG698U2Mvo
(ここから先は少し空けてから続けますので
動画が終わってからお進みくださいね。)
さて、白いTシャツのチームがパスした回数は
15回
です。
では、あなたは途中、
この二つのチームの間を
ゴリラの着ぐるみが来た人が
横切ったことに気付いたでしょうか。
何を言っているの、いたに決まっているじゃないか、
と思った方は正解。
え、ゴリラ…?
そう思った方は、もう一度動画を見てみましょう。
これはハーバート大学で
行われた心理学の実験で
人が注意を向けていないと
眼に入っても見えない
(気づかない)ことを証明した実験です。
ちょっと信じにくいことなのですが。
200人以上が参加したこの実験で
半分近くの46%の人が
全くゴリラの存在に気付かなかったというのです。
更にはその多くが、実験の後に
ゴリラのことを聞かされても
信じなかったというのです。
「そんな明らかな異変に気付かないわけがない」
と。
そこでもう一度見てもらうと…
もちろん今度は気づくわけですね、
ゴリラを探しているのだから。
では、なぜこのような現象が
起きたのでしょうか。
それは、彼らがパスを
数えることに集中していたため
それらを「認識しなかった」のですね。
私たちは目で見ている
世界を見ているのではなく
脳が認識した世界を見ています。
心理学の世界ではこれを「不注意の盲目」といいます。
引用論文
http://wexler.free.fr/library/files/simons%20(1999)%20gorillas%20in%20our%20midst.%20sustained%20inattentional%20blindness%20for%20dynamic%20events.pdf
あなたは自分の眼を疑って生きていますか?
今日はここまで!
また次回!