先日、相談を頂きました。
体が固いのですが、どうしたら
前屈ができるようになりますか?
というわけで、柔軟性の上げ方と
前屈の方法に関してお話ししていきましょう。
まず、体が固いということを
分解して話していきます。
実験をしてみましょう。
ハムストリングスの柔軟性チェック
1、両足を腰幅に開いて立ちます。
※つまさきと膝は正面です。
2、両手の平をお尻の上の部分に
添えておき、その部分がまっすぐに
伸びていることを確認します。
3、手のひらの部分が丸まらないように、
背中をまっすぐにして、前屈していきます。
4、背中が丸まった時点で止まります。
さて、どこまで前屈できましたか?
これが90度に近ければ近いほど、
あなたの前屈ポイントは高いです。
むしろ全く下がらなかった!と
いうのであれば前屈ポイントは低め。
倒れられた角度があなたの
前屈ポイントだと思いましょう。
10度の人は、10点です(笑)
では、もう一つチェックをしてみましょう。
1、先ほどを同じ姿勢で立ちます。
2、この時に膝を曲げます。
※しっかりと曲げて大丈夫です。
3、その状態で先ほどと同じところに
手を当てて腰が伸びているのを確認します。
4、背中が丸まらないように
ゆっくりと前屈をします。
5、どこまで前屈ができているか確認しましょう。
先ほどの膝をしっかりと伸ばした場合と
比較してどのような変化があったでしょうか。
おそらく多くの方は膝を曲げた方が
前屈しやすかったのではないでしょうか。
何が言いたいかというと、
腰が丸まらないように正しく前屈するには、
膝の角度が関係しているということです。
まず、なぜ腰と膝という、
一見離れた部分が連動性を
持っているのかというと、
「ハムストリングス」という腰と非常に
つながりの深い部分が膝とつながっているからです。
筋肉は両端に腱といわれる部分があり、
それが骨にくっついて関節を
動かすことができます。
ももうらのハムストリングスの腱は、
膝の下あたりの骨にくっついています。
腿の筋肉なのであれば
膝の上についておけば良いはずです。
なのに、なぜわざわざ
膝の下についているのでしょうか。
これは、ひざの屈曲と関係しています。
膝を曲げようと思うときに
ハムストリングスが収縮することで
ひざ下が引き上げられます。
すると膝の屈曲が起こります。
体を動かすときには、
・筋肉を収縮させる
・筋肉を伸展させる
このどちらかで動かされていますから
膝を曲げるためにはその上にある
ハムストリングスが引き上げる必要が
起こってくるのですね。
さて、ハムストリングスが
膝と関係していることは
お分かりいただいたかと思いますが、
今度はハムストリングスと腰の関係性。
ココもわかるようでわからない。
では、指で解説していきましょう。
あなたの人差し指を出してください。
まっすぐに伸ばして観察してみましょう。
おそらく、その人差し指の第二関節には
シワが寄っていると思います。
その第二関節を垂直に曲げてみてください。
そのシワが伸びませんでしたか?
何が言いたいかというと、
伸ばしているより、曲げる方が
長さが必要なんです。
皮膚だと表面上でわかりやすいですが
この指の中もスキャンしてみると
伸ばしている場合は筋肉には皺が寄っていて、
曲げるとその筋肉は伸ばされて
シワが無くなっている状態です。
この筋肉のシワがない状態を
筋肉の柔軟性と呼びます。
さて、ここで腰とハムストリングスに
話を戻します。
指とメカニズムは一緒です。
仰向けで寝るよりも、
上半身を起こす(体を股関節中心に曲げる)
方が、筋肉の長さが必要なんです。
しかし、ハムストリングスも
腰の筋肉も非常に硬く
どちらかが伸びようとすると
どちらかが引っ張られます。
どちらも力を緩めないと
どちらも伸びないので前屈が深まらない。
ということが起こります。
そこに、先ほどの「膝を曲げる」という
プロセスを入れると
ハムストリングスのゆるみが起こります。
すると腰が伸びるので、
背中が丸まらずに前屈できる、というわけです。
これが、体が固い場合は
前屈では膝を曲げた方がいい理由です。
最初から腰とハムストリングスで
引っ張り合いをしても
前屈が深まりませんので
最初は膝を曲げながら行っていきましょう。
次回は、前屈を深める方法に関して
お話ししていきます。
それでは、今日はここまで!
皆様にとって、
素晴らしい一日でありますように。